『東京日和』(日) | 極私的映画と音楽のススメ

極私的映画と音楽のススメ

印象に残る映画には印象に残る音楽がある。
思い出の名場面に流れていた音楽、言葉などをご紹介

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普段、街を歩いていると

何故だか、懐かしい気分になることって無いですか?



匂いや、感覚で

幼いころ過ごした街を思い出してしまったり。



それの要因としては、

時間的なものとしては、黄昏どきが一番多いかな。


なんか、黄昏どきって、昔のことを思い出すことが多いんですよね。



黄昏の語源って、「誰そ?彼?」(たそ?かれ?)だそうで、

この時期が一番暗いというのがうなづける語源ですよね。



なぜか、こんなときに、思い出してしまう映画があります。


それが表題作。


写真家アラーキーの自伝的な映画なんですが、

竹中直人の熱演もあって、とってもいい作品に仕上がっています。


中山美穂がこれまたいい演技をしております。

ギルバート・グレイプのディカプリオ並だと思います。


急にいなくなって、みんなが心配して探していたら

すやすやと眠っていた・・なんて、いいシーンでしたもの。



なんというか、詩的なんですよね。

各場面も印象に残るし、まるで小津安二郎のショットみたい。



でも、何でこの映画なのかなあと思っていたら、

ある日、思い当たりました。



それは主題歌の「ひまわり」。


大貫妙子の、しみじみとくる名曲なんですが、

このイメージが、なんとなく黄昏どきを想起させるんですよね。



「ひまわり」というタイトルなんですが、なぜか、

黄昏どきをイメージしてしまう。



季節は夏。

夕暮れ時にひまわりが風にゆれている・・・



幼いころに見たそんな、風景を思い出してしまう素敵な作品です。

(浅野忠信もちょい訳で出演)

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初掲載:2005/9/4、再掲載:2008/1/23⇒2011/12/28